借金返済が厳しくなり、債務整理に関する情報を探していると、借金減額シミュレーターというものを公開しているところがあることに気づく方も多いのではないでしょうか？
本当にあのようなもので借金減額の診断をできるのか、怪しいものではないのか、疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
そこでこのページでは、借金減額シミュレーターは怪しいのか、どのようなからくりで動いているものなのかをお伝えします。
※提供元「弁護士法人 響」
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相談料は0円なので、まずは自分の状況を聞いてもらうといいですよ。
目次
借金減額シミュレーターとは？
借金減額シミュレーターとは、WEB上でいくつか質問を用意しておき、その質問の回答内容をもとに、借金が減額する可能性について診断しようとするものです。
借金減額シミュレーターは減額の可能性を診断するもの
借金減額シミュレーターは、借金減額の仕組みをもとに、いくつかの情報に基いて借金減額の可能性を診断するものです。
この診断によって、借金減額の可能性があるかないかを確認することができるので、債務整理のための行動を起こすべきか判断するのに役に立つといえます。
リボ払いをした場合でも使えるか
この借金減額診断は、返済の方式がリボ払いでも利用は可能です。
リボ払いはあくまで借金返済の方式にすぎず、グレーゾーン金利での借り入れをしていたか、自己破産・個人再生の要件を満たすかの判断に影響するものではありません。
借金減額シミュレーターは誰が運営している？
借金減額シミュレーターは主に次の2つの運営主体が運営しています。
- 弁護士・司法書士の事務所
- 債務整理を取り扱っている弁護士・司法書士事務所を紹介しているサイト
いずれも最終的には集客を目的としてるものです。
借金シミュレーターは嘘？怪しい？
この借金減額診断（シミュレーター）については、嘘なのではないか、怪しいのではないか、という検討がされます。
嘘ではないが完全に正確ではない
まず、嘘なのではないないか？という点については、借金減額の可能性を検討するに過ぎないので、正確ではないという点に注意が必要です。
たとえば、借り入れ時期が長いという情報を入力したとしても、借り入れ相手が銀行か消費者金融かで、過払い金に基づく減額があるかどうかは異なります。
これは、消費者金融はグレーゾーン金利で貸付を行っていましたが、銀行はグレーゾーン金利での貸付を行っていないからです。
苦しいの感覚も人それぞれ
また、返済が苦しいという情報を入力したとしても、「苦しい」というのは主観にすぎず、もう生活をする余裕がないのを苦しいという人もいれば、生活自体や返済は問題なく出来ていても遊ぶお金がなくて苦しいという人もいます。
これによって個人再生や自己破産をするのに必要な要件である、支払不能の判断が異なると、減額の可能性の判断が変わるためです。
真摯に債務整理によって借金減額の可能性を診断したいのであれば、利用する価値はあるといえるでしょう。
弁護士・司法書士以外の提供は怪しい
「怪しい」という声があるのは、本来債務整理ができるのは弁護士・司法書士だけであるにも関わらず、株式会社やよくわからない団体が借金減額シミュレーターを提供していることに起因します。
弁護士・司法書士が提供している借金減額シミュレーターを利用すれば、その情報は法律で定められ、刑罰も課されている守秘義務で守られるので安心して利用することができるでしょう。
そもそも借金減額のからくり・仕組みとは？
そもそも借金が減額するときのからくり・仕組みについて確認しましょう。
任意整理で借金の減額ができる
まず、債務整理の方法の一つである任意整理をすると、元金や遅延損害金をカットできるので、その分の借金返済が減額します。
また、任意整理をする際に、2010年6月18日より前に、利息制限法を超える利率（グレーゾーン金利）で返済をしていた場合に、利息制限法を超える部分については過払い金として残額に充当することになります。
借り入れ額が50万円あり、過払い金が30万円ある場合は、過払い金の30万円が充当されて、残額が20万円に減額します。
任意整理についてさらに詳しくは、以下の記事を参考にしてください。
任意整理とは？4個のデメリットと12個のメリットをわかりやすく解説
個人再生や自己破産で減額をする
債務整理には任意整理の他にも、個人再生や自己破産という方法があります。
個人再生を行なうと、民事再生法に従った減額をすることができ、最大で借金が1/10に減額できます。また、自己破産をすると、借金を免責してもらうことができます。
個人再生や自己破産についてさらに詳しくは、以下の記事を参考にしてください。
【2024年版】自己破産とは？4つのメリットと9つのデメリットをわかりやすく解説！
個人再生とは？5つのメリットと6つのデメリットをわかりやすく解説【2024年版】
借金減額シミュレーターの悪い評判・口コミを検証
借金減額シミュレーターですが、実はその評判や口コミを見ると、悪いものが多いです。その理由としては次のようなものが挙げられます。
運営者が怪しい
広告の出し方のせいで運営者が怪しいという評判・口コミがあります。
借金減額シミュレーターの運営者情報。素人なんでよう分からんのだけど、こういうのは何なのでしょうな。同じ広告主が複数の代理店を使っているとか、同じ代理店が複数の広告主を扱っているとかならまだ分かるけど、広告主は違う、サイト運営者も違う、サービスもちょっと違う、けど「コピペ？」的な。 pic.twitter.com/83WAT51fHP
— sampaguita_htn (@sampaguita_htn) November 30, 2022
とくに、弁護士・司法書士の情報を掲載するサイトが借金減額シミュレーターを運営している場合には、弁護士・司法書士ではなく債務整理ができるわけではない会社がどうしてこのようなものを運営しているのか？と怪しく感じる方も多いようです。
広告がしつこい
広告がしつこいという声もあります。
最近のインスタ借金減額シミュレーターの広告もしつこいんだよな。
インスタグラマーになるためには借金しなきゃいけない（）ルールでもあるの？— 🐣 (@Nng1PvTYltwNTuL) September 7, 2021
インターネット広告・SNS広告は、設定条件と合致した場合、繰り返し掲出されることがあり、その範囲が広いことが多いです。
そのため、債務整理が必要ないにもかかわらず、繰り返し広告が出てしまう人にとっては、評判が非常に悪いです。
運営主体からの電話がしつこい
借金減額シミュレーターを利用した後に、その運営主体から電話がくるのがしつこいという声もあります。
借金垢界隈で最近こういうツイートよく見るね。こういう「借金減額シミュレーター」はほとんどの場合弁護士事務所や司法書士事務所などが運営しており債務整理に導くための罠。一回シミュレーター実行すると電話やSMSなどが永遠と届くのでやらない方がいいと思う https://t.co/qVpS3FRtpP
— うみ🐳329 (@_u_t_o_p_i_a__) August 8, 2022
こちらも、実際に借金返済に困っていない人からの評判は良くないですが、借金返済に困っている当事者からは、次のような声が上がっています。
ってか、消費者金融2社だけの負債の時に任意整理しとけばよかった。あの時、どっかの法律事務所の借金減額シミュレーターやってて、翌日電話あったのに「なんか知らん番号やし怖い」とか言うて連絡せんかったのほんまに悔やまれる…
— 西村ロベルタ (@robenishi) February 1, 2020
借金減額シミュレーターの利用手順
借金減額シミュレーターの利用手順は次の通りです。
- 借金減額シミュレーターのWEBページにアクセス
- 必要な情報を入力する
- 借金減額に関する返答をもらう
手順1：借金減額シミュレーターのWEBページにアクセス
借金減額シミュレーターを提供しているWEBページにアクセスします。借金減額シミュレーターはWEB上で情報を入力して送信することで診断するためです。
手順2：必要な情報を入力する
診断に必要な情報を入力します。借り入れ年数など、正確にわからないことも多いのですが、大体の入力で大丈夫です。
手順3：借金減額に関する返答をもらう
診断結果の返答をもらいます。
詳しい話で正確な診断をするために、電話やメールをしてきてくれるので、さらに詳しい状況を伝えて、より精度の高い情報をもらうことをお勧めします。
※提供元「弁護士法人 響」
借金減額シミュレーターのデメリット・注意点
借金減額シミュレーターのデメリット・注意点には次のようなものが言われています。
- 正確な情報ではない
- 知らない事務所に情報が共有されることがある
- 弁護士・司法書士の事務所から相談の勧誘がしつこく行われることがある
正確な情報ではない
繰り返しになりますが、借金減額シミュレーターは限られた情報に基いて診断をするため、正確な情報ではありません。
相談するか迷っている場合に利用する程度で利用するようにしましょう。
知らない事務所に情報が共有されることがある
特に弁護士・司法書士の情報を掲載しているサイトで注意が必要なのが、入力した情報を複数の弁護士・司法書士に共有される可能性があります。
類似するものとしては、引っ越しの一括見積もりをしたところ、複数の引越し会社から見積もりのための電話が来るのですが、これに近い状態になることがあります。
運営主体や、誰に情報が共有されているのかをしっかり見極めることが重要です。
弁護士・司法書士の事務所から相談の勧誘がしつこく行われることがある
弁護士・司法書士の事務所から、相談の勧誘がしつこく行われることがあります。
電話やSNSメッセージを繰り返しもらうのは、すぐに話したりすることができるので便利である反面、必要ない場合にはこれらはしつこいと感じる人も多いです。
この場合には、例えば他の事務所に債務整理を依頼した、債務整理の必要がなくなったなど、きちんと勧誘は不要で以後しないで欲しいと伝えるようにしましょう。
借金減額シミュレーターより正確な情報を知りたいなら実際に弁護士・司法書士と相談しよう
債務整理のどの手続が向いているか、どのような手続き進行となりそうか、より具体的に聞きたい場合には、実際に弁護士・司法書士と相談を行なうことになります。
事前に情報を整理する
弁護士・司法書士に相談をする際には、必ず事前に情報をより整理しておくようにしましょう。
債務整理が必要な状態になると、返済日にいくら払えば良いかのみしか考えておらず、その債務の総額がいくらであったかすら把握していないことも珍しくありません。
債務額が30万円を3社から借り入れしているという申告をしたところ、実は3社のうち2社は50万円の借り入れをしていた場合、借金は90万円ではなく130万円であったということになり、任意整理をする予定が返済できずに自己破産になるということもあります。
そのため、事前に情報を整理しておきましょう。
整理すべき情報としては、
- 借り入れをしている債権者の名前
- 借り入れ額
- 借り入れ開始時期
- 借り入れ利率
- 担保や保証人の有無
といった債務に関する事項と、
- 世帯の収入
- 世帯の支出
- 家族構成
などの収入と支出に関する情報もまとめておきましょう。借金の状況がわからない場合には、信用情報機関に開示請求をすると、借り入れ状況を確認することが可能です。
弁護士・司法書士に依頼する
弁護士・司法書士に相談をし、債務整理を依頼しましょう。相談では、上記のような事項を整理した上で、最も合っている債務整理手続きを紹介してくれます。
依頼をすれば、弁護士・司法書士は直ちに債務整理にとりかかり、以後は借金の返済や督促はストップします。
債務整理に強い、おすすめの弁護士・司法書士は以下の記事にまとめています。
【2024年版】債務整理におすすめの弁護士・司法書士とは？無料相談や費用が安い法律事務所もわかる！
別の弁護士・司法書士に相談することも可能
なお、債務整理の相談や、借金減額シミュレーターを利用したからといって、かならずその弁護士・司法書士に依頼しなければならないというわけではありません。
他の弁護士・司法書士に相談することも可能なので、相談をして心配な点があったり、他の解決方法の提案も聞いてみたい場合には、他の弁護士・司法書士にも相談してみてください。
まとめ
このページでは、借金減額シミュレーターについてお伝えしました。
借金減額シミュレーターには、あまり良くない評判・口コミがあがっていますが、債務整理を検討している人にとっては、借金減額の可能性を探ることができるツールとして有用です。
100%正確なものではないなどの注意点を念頭に入れ、弁護士・司法書士に具体的な相談に先立って、気軽に使ってみることをお勧めします。
