借金問題をなんとかしようと思った人の多くが、アディーレ法律事務所という名称を聞いたことがあるのではないでしょうか?
現在全国規模の事務所であるアディーレ法律事務所ですが、検索すると相談や依頼をためらいたくなるような内容もあります。
そこで、これらを検証して、アディーレ法律事務所に相談や依頼をして良いのかを検討してみましょう。
目次
アディーレ法律事務所の概要
名称 | 弁護士法人アディーレ法律事務所 |
---|---|
所在地 | 池袋本店の東京都豊島区東池袋3-1-1-サンシャイン60をはじめとして国内60箇所以上に拠点あり |
電話番号 | 0120-316-742 |
公式ホームページ | https://www.adire.jp/ |
弁護士 | 181名(令和4年6月) |
設立 | 2004年 |
アディーレ法律事務所は2004年に設立された事務所で、設立当初から債務整理に力をいれています。
弁護士広告の自由化から広告に力をいれて債務整理業務を大量に取り扱ってきた事務所の草分け的存在として知られています。
この「アディーレ」という言葉は、ラテン語で「身近な」という意味があります。
アディーレ法律事務所はやばい?懲戒処分について考察
アディーレ法律事務所について、インターネット検索を行なうと「やばい」という言葉が出てくるのですが、これにはアディーレ法律事務所の懲戒処分が関係します。
懲戒処分として業務停止処分を受けたことがある
アディーレ法律事務所は、過去に懲戒処分で業務停止処分を受けたことがあり、大混乱を来たしたことがあります。
懲戒処分とは
懲戒処分とは、弁護士法56条以下に規定されているもので、所属している都道府県の弁護士会(東京の場合には、東京弁護士会・第一東京弁護士会・第二東京弁護士会の3つがある)が、「所属弁護士会の秩序又は信用を害し、その他職務の内外を問わずその品位を失うべき非行があつたとき」に行われる処分をいいます。
処分にはその不利益の態様から、
- 戒告
- 2年以内の業務停止命令
- 退会命令
- 除名
の4種類があります。懲戒処分は官報で公告されるほか、弁護士の懲戒処分を集めているデーターベースサイトで紹介されるので、調べる事が可能です。
1度目の懲戒処分:戒告
1度目の懲戒処分は2010年10月に、破産申立の依頼を受けたにもかかわらず、申立てを1年以上放置し、その間に会社財産が流出してしまった事案を巡って行われたものです。
処分内容は、弁護士法人アディーレ法律事務所と、当時の代表に石丸幸人弁護士に対して、戒告が行われました。
2度目の懲戒処分:業務停止2ヶ月
2度目の懲戒処分は2017年4月に行われました。前年の2016年2月に、消費者庁から、過払い金の着手金を無料にするという広告を5年にわたって続けたことが、景品表示法違反として措置命令を受けました。
これを受けた東京弁護士会が、弁護士法人アディーレ法律事務所に2ヶ月・元代表の石丸幸人弁護士に3ヶ月の業務停止命令を出しました。
業務停止命令を受けると、その時点で依頼を受けている案件は辞任しなければならず、このときにアディーレ法律事務所に依頼をしていた依頼者は新しい弁護士を探さなければならず、混乱を極めました。
東京弁護士会では電話相談を実施したところ2 があり、このことは連日報道されることになります。この事件は、アディーレ法律事務所への評価を著しく下げることになりました。
アディーレ法律事務所の懲戒処分に関する考察
以上のアディーレ法律事務所の懲戒処分に関して、現在どう考えるべきでしょうか?
1回目の懲戒処分では、破産申立が遅れて会社財産が流出してしまっており、やはり弁護士としてはあるまじきものであるといえます。
2回目の懲戒処分については、事務所の広告に関する不備が原因のもので、懲戒処分については少し重すぎると評価する向きもあります。
以上のような心配な要素はあれども、債務整理についてはなお国内有数の存在であり、事務所としての案件を解決した件数は計り知れません。
大きくなりすぎたが故に問題も発生していますが、債務整理に関する個別の解決能力は高く、過去に懲戒処分はあったとしてもなお相談・依頼に値するといえるでしょう。
アディーレ法律事務所が潰れるのではとの心配の声があった
アディーレ法律事務所が潰れるのではないか?という心配の声があがったことがあります。
二ヶ月も業務停止になったら、潰れるかな〜。アディーレ法律事務所に業務停止の懲戒処分 | 2017/10/11 – 共同通信 47NEWS https://t.co/jjY0V1pSoy
— 桜梅子🌸税理士 (@sakura__umeko) October 11, 2017
これは、上記のように2度目の懲戒処分で大きな損失を出したことから憶測で言われているものです。
また、同じように債務整理を中心に業務を行っていた東京ミネルヴァ法律事務所が2020年に倒産したときにも、同様に債務整理をしていて業務停止で大きなダメージを受けたアディーレも潰れるのではないか?という憶測が立ちました。
しかし、もともとアディーレ法律事務所は長年債務整理などの個人法務に関する業界をリードしてきたため、法人内部にかなりの金額のお金を留保しています。
また、東京ミネルヴァ法律事務所は、元武富士の広告代理店への不適切な広告料の支払いが原因で倒産したのですが、アディーレ法律事務所は広告代理店への依頼はせずに自社で広告を運用しているので、東京ミネルヴァ法律事務所のような事態は発生していません。
弁護士法人アディーレ法律事務所は、当該広告代理店との取引は一切行っておりません。 https://t.co/Yfg7UmgV0i
— アディーレ弁護士×採用担当 (@adire_recruit) July 1, 2020
アディーレ法律事務所の良い口コミ
アディーレ法律事務所の良い口コミについて、詳しく見ていきましょう。
対応面
事務員、受付女性、弁護士の方々は親身になって考えてくれました。また機会があればお願いします。
-アディーレ法律事務所 池袋本店googleの口コミより
弁護士は親切に色々な提案をし、自分に合った解決法を教えてくれました。
事務員はサバサバしている様に見えましたがこちらに合わせてくれて親切で丁寧な対応、何よりわかりやすい説明をしてくれました。
初めての弁護士相談だったので緊張しましたが話しやすくて助かりました。オススメします。
受付の電話が使いにくい。が、受付の電話応対や接客は丁寧。場所も分かりやすく迷うことはない。
数名の方と話をしたが、どの方も品があり法律事務所の品格を落とすことなくきちんとした応対でした。
対応面で満足をしている口コミが多数寄せられていました。
債務整理は借金問題を話すもので、弁護士や事務員によっては横柄な対応をする人もいますので、対応がいい事務所ならば相談しやすいでしょう。
専門性
段取りが大変良く説明も分かり易くスピーディー終わりました
もちろん、弁護士の方も的確な説明で不明点なく時間を過ごせました。
安心して任せられると感じました。
弁護士さんもスタッフさんもお若いが、説明が解りやすく頼もしい。相談して良かったです。
良い弁護士さんが解決方法を考えてくれます。金額も安いです。
説明がわかりやすい・スピーディーなど、専門性の部分で評価をする口コミも多数ありました。
その他
駅にも近くて便利
私用で訪問したことがありますが、事務所特有のシーンとした雰囲気…でも弁護士が出て来る前に事務員からのヒアリングがあります。そのヒアリング姿勢に熱がこもっていて、個人的に今度飲みに行きたい。
弁護士費用はどこでもそうですが、それなりにかかるものの、分割払いにも対応してくれたり、生活状況も考えた上での分割プランを提示してくれて、もしも途中で状況が変わってもすぐ連絡すれば柔軟に対応してれると言ってくれ、相談費用は全くかからないので本当に困ったらここを頼るのがいいと思いました。
アディーレ法律事務所の良い口コミの考察
アディーレ法律事務所の良い口コミを考察すると、対応の良さ・専門性などに対する高い評価を感じることができます。
債務整理は任意整理でも半年~自己破産・個人再生になると1年以上の期間が必要です。
安心して接することができる弁護士が居るのはもちろんのこと、債務整理専門の事務員・スタッフがきちんとサポートしている姿勢が見え、事務所一丸となって債務整理に取り組んでいるのがわかります。
アディーレ法律事務所の悪い口コミ
アディーレ法律事務所の悪い口コミについて、詳しく見ていきましょう。
広告がうっとうしい
宣伝は派手。受付は複雑。弁護士に会えるまで時間がかかります。
アディーレの広告しつこい
出典:twitter
対応
事務員の感じが悪く対応も悪い。ここで相談はオススメしません。
不親切。絶対やめればよかった
債務整理の相談に行ってきました。事務員の方は親切に聞いてくれましたが弁護士が出てきた途端上から目線で高圧的な態度だったのでこの弁護士には頼めないと思い辞めました。
とても不快な気分になったので他の法律事務所に依頼しました
その他
事務員も弁護士も質があまりよくありません。他の事務所とよく比較して検討した方がよいと思います。
アディーレ法律事務所の悪い口コミを考察
アディーレ法律事務所の悪い口コミは、良い口コミとは真逆で、弁護士・事務員の対応や質への悪い口コミでした。
合う・合わないの部分は人にもよるので、面談をしてみて、もし合わないと思ったときには契約をしなくても良いでしょう。
アディーレ法律事務所の債務整理の費用は高いのか検証
アディーレ法律事務所の債務整理費用は高いのではないかという声があります。そこで、アディーレ法律事務所の債務整理費用は高いのかを検証しましょう。
アディーレ法律事務所 | 弁護士法人東京ロータス法律事務所 | 司法書士法人はたの法務事務所 | 弁護士法人サンク法律事務所 | |
---|---|---|---|---|
相談料 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
任意整理 | 基本費用44,000円+解決報酬金22,000円
減額報酬11% |
着手金22,000円+報酬金22,000円
減額報酬11% |
基本報酬22,000円~
減額報酬11% |
着手金55,000円~/件 報酬金11,000円~/件減額報酬11% |
自己破産 | 基本費用363,000円(少額管財の場合には437,800円)+申立事務手数料55,000円 | 着手金220,000円+報酬金220,000円+諸費用550,000円 | 330,000円(少額管財の場合には220,000円を加算) | 記載なし |
個人再生 | 基本費用462,000円(住宅ローン督促ありの場合550,000円)
申立事務手数料55,000円 |
着手金330,000円+報酬金330,000円+諸費用55,000円 | 報酬
385,000円~+再生委員に支払う費用として+220,000円~ |
記載なし |
過払い金請求 | 基本費用66,000円+取り戻した額の22%(訴訟の場合には27.5% | 着手金なし+報酬金なし+過払い金報酬金
回収額の22%(訴訟の場合には27.5%) |
基本報酬無料+過払い報酬
取り戻した額の22%(10万円以下の場合には111,000円の計算量+14%) |
着手金無料+報酬金21,870円
過払い金報酬 回収額の22%(訴訟の場合には27.5%) |
費用を比較すると、はたの法務事務所・東京ロータス法律事務所と比べると任意整理では若干高いといえます。
他方で自己破産・個人再生については、他の事務所のほうが高いこともあります。
いずれにしても、特筆するような大きな差はないので、費用が高いとアディーレ法律事務所への相談・依頼を敬遠する必要はないといえるでしょう。
アディーレ法律事務所の強み
最後にアディーレ法律事務所の強みを見てみましょう。
- 圧倒的な債務整理の実績
- 闇金にも圧倒的な強さを誇る
- 相談しやすい体制づくり
- 現在の進捗状況をシステムで確認できる
圧倒的な債務整理の実績
創業当初は債務整理の案件がほとんどであったアディーレ法律事務所。そのため債務整理案件での実績は国内でも指折りです。
闇金にも圧倒的な強さを誇る
債務整理で特殊なのが闇金問題です。事務所によっては闇金から借り入れをしている人の依頼は一切受けないというところもあります。
しかし、アディーレ法律事務所はメディアにも取り上げられるほど、闇金問題にも力を入れている事務所です。もし闇金にも借り入れをしている場合には、力になってくれるでしょう。
相談しやすい体制づくり
アディーレ法律事務所は、全国60箇所以上に拠点を有しており、どの都道府県にも必ず一個は拠点があります。
また、夜も土日祝日も営業しており、夜も22時まで相談可能、もちろん相談は0円です。相談しやすい体制づくりをしているのがアディーレ法律事務所の強みです。
現在の進捗状況をシステムで確認できる
アディーレ法律事務所には、アディーレダイレクトと呼ばれる進捗状況をいつでも確認できるシステムを構築しています。
そのため、24時間いつでも自分の債務整理の状況がどうなっているかを確認可能です。
アディーレ法律事務所に債務整理を依頼する場合の基本的な流れ
アディーレ法律事務所に債務整理を依頼する場合の基本的な流れは次の通りです。
- 借金相談を行なう
- 債務整理の依頼・受任通知の発送・債務の調査
- 各債務整理手続きの開始
手順1:借金相談を行なう
まずは借金相談を行います。借金相談は事前に予約することになるので、事務所のフリーダイヤルかメールフォームから予約をしましょう。
指定された日時に面談を行い、借金や収支の状況を確認して、債務整理のどの手続が適切か、どのように債務整理が進行するかなどの見通しを示してもらいます。
そのまま依頼しても良いですし、後日あらためて依頼しても構いません。
他の事務所にも相談してみて、納得のいく説明を受けることができた・弁護士や司法書士の人柄や態度、などを比較してみても良いでしょう。
手順2:債務整理の依頼・受任通知の発送・債務の調査
債務整理の依頼をします。依頼時には契約書の取り交わしを行います。
これと同時に弁護士が受任通知を債権者に対して発送し、相手がこれを受け取ると本人に対する督促を中止します(貸金業法21条1項9号で弁護士に依頼した後の督促は禁止される)。
貸金業者に送る受任通知には、取引履歴の開示を依頼する文言が併せて記載されているので、取引の履歴が弁護士に送られます。
弁護士はこの取引の履歴をもとに適切な利息での「引き直し計算」を行い、債務額の調査を行います。
2010年6月18日に出資法が現在の利率になる以前に、利息制限法を超える利率(グレーゾーン金利)で借り入れ・返済をしていた場合には、借金が減額されたり、過払い金として返還を求めることができることがあります。
手順3:各債務整理手続きの開始
債務額の調査が終わると各債務整理手続きに移ります。任意整理では債権者と交渉をして、和解をします。
自己破産・個人再生では、申立書類の作成をして、裁判所に申し立てを行います。任意整理・個人再生では、手続き後に毎月の返済を行います。
まとめ
このページでは、アディーレ法律事務所に債務整理の相談・依頼をすることについて、口コミや過去の出来事と併せてお伝えしました。
過去に懲戒処分を受けているのですが、債務整理については非常に多い実績のある事務所ですので、まずは相談をしてみるのが良いでしょう。