借金の返済ができなくなったときには、債務整理を弁護士・司法書士に依頼します。
弁護士・司法書士といっても、ネット・ちらし・駅などの看板で、たくさんの弁護士・司法書士を目にしますが、債務整理をするのにおすすめの弁護士・司法書士はどうやって選ぶべきでしょうか。
このページでは、債務整理におすすめの弁護士・司法書士について、お伝えします。
目次
債務整理に強い弁護士・司法書士に相談すべき理由とは?
まず、債務整理は債務整理に強い弁護士・司法書士に相談・依頼すべきです。
債務整理をトラブルなく終わらせるためには、法律の知識だけではなく、金融機関の特徴やトラブルになりそうなポイントについてしっかり把握していることが必要です。
また、債務整理は借金問題ということもあり、中には積極的にやりたがらない弁護士もいて、依頼しても長期間放置されることも少なくありません。
債務整理には借金問題を解決してくれるというメリットはあるのですが、反面でたくさんのデメリットもあります。
その人に発生しうるデメリットを的確に把握し、トラブルなく経済的にやりなおしをするためには、債務整理に強い弁護士に依頼する必要があります。
債務整理に強い弁護士・司法書士の選び方5ポイント
債務整理に強い弁護士・司法書士の選び方には次の5つのポイントがあります。
- 債務整理を取り扱っていることを公表している
- 相談がしやすい体制を整えている
- 相談を無料で行っている
- 弁護士会・司法書士会から懲戒処分を受けていない
- 依頼しやすいように費用の分割払いにしてくれている
債務整理を取り扱っていることを公表している
債務整理の弁護士選び一つ目のポイントは、債務整理をホームページで債務整理を取り扱っていることを公表していることです。
弁護士・司法書士ともに、取り扱いができる業務は広く、都市部を中心に多くのケースで取り扱い分野を決めて業務を行っています。
大きな分類としては、企業の法律問題である企業法務という分野と、個人の法律問題である個人法務という分野があり、債務整理は個人の法律問題である個人法務に属しています。
そのため、企業法務を得意としている弁護士・司法書士に相談しても、相談だけで終わってしまうことになります。
ただ、個人法務の弁護士・司法書士でも、借金問題ということもあって、債務整理は取り扱わないという人もいます。
債務整理をきちんと扱っているかは、ホームページを見れば取り扱いがあるかどうかがわかるので、弁護士・司法書士の事務所のホームページを探して、債務整理を取り扱っているかを確認しましょう。
債務整理に強い事務所であれば、費用や実績について詳しく公表しています。
相談がしやすい体制を整えている
債務整理に強い弁護士・司法書士の事務所を探すポイントの2つ目が、相談がしやすい体制を整えているかどうかです。
弁護士・司法書士の多くが、平日の日中に執務をしているので、相談・依頼をするのに仕事を休む必要があったりします。
借金返済に困っている人の多くが、返済と日々の生活のために仕事を簡単に休むことができない状況でしょう。
債務整理に強い弁護士・司法書士は、このような事情を考慮して、平日の夜間・土日祝日でも相談が可能としています。
通常から土日祝日・夜間も相談可能である場合や、予約をすれば相談が可能である場合もあるので、ホームページで調べてみましょう。
相談を無料で行っている
債務整理に強い弁護士・司法書士の事務所を探すポイントの3つ目が、相談を無料で行っているかどうかです。
通常、弁護士・司法書士のような士業に相談するには、30分5,000円~の相談料が必要です。また、特定の分野に強い場合には、相談料や依頼のための費用が高額になることがあります。
しかし、債務整理を必要とする人の多くは、数千円の支払いですら厳しいという状況にあります。そのため、債務整理に強い弁護士・司法書士は、本来請求する相談料を無料で行っています。
無料で相談できるところを探して、市区町村の法律相談や弁護士会・司法書士会の相談、法テラスなどを利用する方も多いです。
債務整理の経験豊富な弁護士・司法書士がそもそも無料で相談を受けているので、最初からそちらに相談するのが良いでしょう。
弁護士会・司法書士会から懲戒処分を受けていない
以上のような特徴を持っていても注意が必要なのが、弁護士会・司法書士会から懲戒処分を受けている場合です。
弁護士・司法書士の業務は、資格制度となっており、特別に認められているもので、資格を持っていない人は弁護士・司法書士の業務を行うことができません。
その弁護士や司法書士が、職務を行うにあたって、あるまじき行為をしたような場合、所属している弁護士会・司法書士会から、懲戒処分を受けることがあります。
処分には、戒告・業務停止・除名などがあり、インターネットで公開されます。
通常の業務の集客が困難となることから、そこに目をつけた広告会社と手を組んで、債務整理を行うことがあるのです。
インターネットで公開されているので、弁護士・司法書士の名前や、事務所の名前で検索して、懲戒歴がないか調べてみるのが、弁護士・司法書士を探すポイントの一つです。
依頼しやすいように費用の分割払いにしてくれている
最後に、依頼しやすいように費用の分割払いに応じてくれているかどうかは、弁護士・司法書士を探すポイントの一つです。
弁護士・司法書士に依頼するには費用の支払いをしなければならず、自己破産や個人再生を依頼する際には、成功報酬も合わせると60万円近くになる場合もあり、債務整理を依頼する状況である人にはとても払える額ではないのが通常です。
債務整理に力を入れている弁護士・司法書士であれば、費用を分割で支払うことを可能にしており、今すぐ払えるお金が無くてもスムーズに債務整理を依頼することができます。
【全国対応】債務整理の相談や依頼におすすめの弁護士・司法書士ランキング
債務整理の相談や依頼にこのサイトがお勧めする弁護士・司法書士をご紹介します。
おすすめの弁護士・司法書士
- サンク総合法律事務所
- 弁護士法人・響
- ひばり法律事務所
- 東京ロータス法律事務所
- はたの法務事務所
- 弁護士法人オーガスタ
- イージス法律事務所
- 弁護士法人ユア・エース
サンク総合法律事務所
名称 | 弁護士法人サンク法律事務所 (旧:樋口総合法律事務所) |
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所属 | 第二東京弁護士会 |
所在地 | 東京都中央区八丁堀4-2-2 UUR京橋イーストビル2階 |
電話番号 | 0120-281-739 |
代表弁護士 | 樋口 卓也 |
ホームページ | https://thank-law.jp/ |
サンク総合法律事務所は、第二東京弁護士会所属の弁護士法人で、複数の弁護士で個人法務を中心とした案件に対応しています。
サンク総合法律事務所は、代表である樋口卓也弁護士の個人事務所である、樋口総合法律事務所を前身とするもので、たくさんの依頼に対応できるように法人化したものです。
債務整理に関する特設サイトを作っており、借金解決に関する情報を発信しています。債務整理に関する弁護士費用は下記のようになっています。
自己破産・個人再生については公式HPには明記がないので、相談事に聞いて、他の候補の事務所と比較してみると良いでしょう。
内容 | 費用 |
---|---|
相談料 | 無料(フリーダイヤル) |
任意整理 |
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過払い金請求 |
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自己破産 | 公式HPには明記なし |
個人再生 | 公式HPには明記なし |

弁護士法人・響
名称 | 弁護士法人 響(ひびき) |
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所在地 |
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電話番号 |
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代表弁護士 | 西川研一 |
ホームページ | https://hibiki-law.or.jp/ |
グループ |
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弁護士法人・響は、全国6ヶ所に拠点を有し、多数の弁護士を抱えるとともに、税理士法人・行政書士法人・社会保険労務士法人・調査会社(探偵)とグループを組んで活動をしている弁護士法人です。
テレビ・ドラマの法律監修など、メディアでも活躍しています。債務整理についても、債務整理特設サイトを開設しており、蓄積されたノウハウを積極的に発信しています。
弁護士費用は下記の通りです。
内容 | 費用(税込) |
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法律相談 | 0円 |
任意整理 |
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個人再生 |
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自己破産 |
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完済過払い |
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ひばり法律事務所
名称 | 弁護士法人ひばり法律事務所 |
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所在地 | 東京都墨田区江東橋4丁目22番4号6階 |
代表弁護士 | 名村泰三 |
電話番号 | 03-5638-7288 |
FAX番号 | 03-5638-7289 |
業務時間 | 平日午前10時~午後7時 |
公式ホームページ | https://hibari-law.net/ |
弁護士法人ひばり法律事務所は、東京に拠点を置く弁護士法人です。
公式ホームページでは、債務整理に関する情報発信を中心にしていることから、債務整理に強みのある事務所として知られています。
もともとは、代表弁護士である名村泰三弁護士の個人事務所である名村法律事務所が前身なのですが、業務拡大のために弁護士法人となった経緯があります。
費用については下記の通りです。
内容 | 費用(税込) |
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相談料 | 無料 |
任意整理 |
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自己破産 |
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個人再生 |
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過払い請求 |
|
過払い金請求を検討しているときには、成功報酬のみで、当初の依頼には費用がかからないので、積極的に検討してみてください。

東京ロータス法律事務所
名称 | 弁護士法人東京ロータス法律事務所 (旧 岡田法律事務所) |
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所在地 | 東京都台東区東上野1丁目13番2号成田第二ビル2階 |
所属弁護士 | 永安 優人(代表弁護士) |
電話番号 | 0120-316-715 |
ホームページ | http://tokyo-lawtas.com/ |
東京ロータス法律事務所は、東京都台東区にある弁護士法人です。ホームページでは、債務整理に関する事項を中心に発信しており、債務整理に強みのある事務所です。
この事務所の前身は故岡田優仕元弁護士が開設した岡田法律事務事務所で、法人化した後事務所を現在の代表永安優人弁護士が引き継いだものです。
弁護士費用は、以下となっています。任意整理の着手金が比較的安めという費用面での特徴があります。
手続き | 費用(税込) |
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自己破産 |
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個人再生 |
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任意整理 |
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過払い金請求 |
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法律相談 | 無料 |

司法書士法人はたの法務事務所
名称 | 司法書士法人はたの法務事務所 |
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所在地 |
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電話番号 | 0120-96-3164 (平日8:30~21:30 土日祝日8:30~21:00) |
ホームページ | https://hikari-hatano.com/ |
代表司法書士 | 鈴木 法克 |
はたの法務事務所は、東京と大阪に拠点を有する司法書士法人で、債務整理・過払金請求に強みをもっています。
昭和56年に開業した老舗で、司法書士が債務整理を取り扱えるようになった早い段階から、債務整理・過払い金請求に力を注いできたことで有名です。
出張相談にも応じているなど、顧客の状況にあわせた柔軟な取り扱いで信頼を得ています。司法書士費用は、任意整理に関する費用が比較的安めに設定されているのが特徴です。
手続き | 費用 |
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借金相談 | 無料(出張料も無料) |
任意整理 |
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過払い金請求 |
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自己破産 | 330,000円 (管財事件は+220,000円・管財人に支払う費用は別途) |
個人再生 | 385,000円~ (再生委員に支払う費用は別途) |

弁護士法人オーガスタ
事務所名 | 弁護士法人オーガスタ(第二弁護士会所属) |
所在地 | 東京都千代田区神田三崎町2-17-9 SNT水道橋ビル (JR水道橋駅徒歩1分) |
電話番号 | 03-6833-3821 |
FAX番号 | 03-6261-5051 |
公式ホームページ | https://augusta-law.com/ |
代表弁護士 | 樫塚 紘之 |
弁護士法人オーガスタは、東京に拠点がある弁護士法人です。個人に関する法律問題を中心に取り扱っており、債務整理特設サイトを設けて、積極的な発信を行っています。
ホームページではヤミ金融問題にも対応できることを明記しており、ハードな交渉を乗りこなす能力が期待できます。
弁護士費用については、以下となっています。任意整理について、解決報酬金が0円であるのが比較的お得といえます。
内容 | 費用(税込) |
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法律相談 | 無料 |
減額診断の利用 | 無料 |
完済した債務の過払い金請求 |
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返済中の任意整理 |
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自己破産 個人再生 |
弁護士費用に関する記載は公式HPにはなし |

イージス法律事務所
名称 | 弁護士法人イージス法律事務所 |
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代表弁護士 | 長 裕康 |
所在地 | 東京都中央区銀座6-2-1 Daiwa銀座ビル3F |
最寄り駅 | 東京メトロ各線銀座駅徒歩3分 JR等新橋駅徒歩10分 東京メトロ等有楽町駅 |
電話番号 | 03-3289-1055 |
受付時間 | 9:00~19:00 |
FAX番号 | 03-3289-1056 |
ホームページ | https://www.aegislo.com/ |
イージス法律事務所は、東京に拠点がある弁護士法人です。個人に関する問題を中心に業務を行っており、債務整理については特設サイトを設けて情報発信をしています。
債務整理のほかにも、離婚・相続などにも対応していることから、複雑な案件にも対応可能といえます。
弁護士費用は、以下の通りです。
内容 | 費用(税込) |
---|---|
法律相談 | 無料 |
過払い金請求 |
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任意整理 |
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自己破産 | 同時廃止
管財事件
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個人再生 | 通常
住宅ローンがある場合
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消滅時効援用 | 33,000円 |
任意整理の債務額による追加料金は以下となっています。残債務額によって着手金が加算されるので、他の法律事務所とくらべてみるのも良いでしょう。
債務額 | 着手金の追加料金 |
---|---|
10万円未満の場合 | 11,000円 |
10万円以上20万円未満 | 22,000円 |
20万円以上30万円未満 | 33,000円 |
30万円以上40万円未満 | 44,000円 |
40万円以上50万円未満 | 55,000円 |
50万円以上60万円未満 | 66,000円 |
60万円以上70万円未満 | 77,000円 |
70万円以上80万円未満 | 88,000円 |
80万円以上90万円未満 | 99,000円 |
90万円以上 | 110,000円 |

弁護士法人ユア・エース
名称 | 弁護士法人ユア・エース |
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所在地 |
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ホームページ | https://your-ace.or.jp/ |
電話番号 | 0120-951-408(24時間365日相談無料) |
取扱業務 |
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弁護士法人ユア・エースは、東京と福岡に拠点を置く弁護士法人です。
以前は、天音総合法律事務所という名称で業務をしており、弁護士業務の拡大にともなって2022年8月に現在の名称となりました。
天音総合法律事務所時代から、債務整理を含む個人法務の案件には定評があります。
弁護士費用は、以下となっています。住宅ローンのありなしで債務整理の着手金が異なるので注意をしましょう。
手続き | 費用(金額は税込) |
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法律相談 | 無料 |
任意整理 |
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過払金請求 |
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個人再生 | 住宅ローン無
住宅ローン有り
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自己破産 |
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債務整理の費用が安い!安さで選ぶおすすめ弁護士・司法書士
債務整理の費用が安さで弁護士・司法書士を選ぶ場合のお勧めはこちらです。
任意整理の着手金が安い東京ロータス法律事務所
まず、任意整理の依頼をするのであれば、東京ロータス法律事務所への依頼を検討しましょう。
任意整理については、55,000円/1社前後が相場なのですが、東京ロータス法律事務所は、22,000円/1社となっています。
例えば3社の任意整理を依頼するのであれば、55,000円であれば165,000円が着手金になるのに対して、東京ロータス法律事務所であれば、66,000円で済み、その差はおよそ10万円になります。
なお、自己破産も同時廃止であれば、495,000円で行うことができ、少額管財になっても加算がないので、比較的安いといえるでしょう。
同じく任意整理が確実であればはたの法務事務所も安い
任意整理を依頼するのであれば、はたの法務事務所にも依頼を検討しましょう。
はたの法務事務所の費用体系はシンプルで、着手金が22,000円/1社・減額報酬が減額した分の11%分のみです。
東京ロータス法律事務所は、解決報酬金になる22,000円/1社が必要なのですが、はたの法務事務所では解決報酬金が不要であるため、その分解決してからの費用ははたの法務事務所のほうがさらに安いといえます。
自己破産ならひばり法律事務所も比較的安め
自己破産ならばひばり法律事務所も比較的安めです。
着手金220,000円+成功報酬が220,000円で、諸経費として5,500円が加算された、445,500円が合計の報酬で、上記のおすすめの中でも比較的安いといえます。
債務整理は4種類ある!借金返済ができないときの対処法
ここまで「債務整理」とお伝えしてきましたが、債務整理というのは、借金減額をするためのいくつかある方法をまとめて呼んだものであり、主なものとしては任意整理・自己破産・個人再生という3つの手続きと、特定調停という例外的な方法のどれかを利用します。
それぞれどのような手続きなのか、その概要を確認しましょう。
任意整理とは
任意整理とは、借入先(債権者)と交渉をして借金を減額してもらって、分割で返済をしていく債務整理の方法です。
数多くの事例の積み重ねによって、毎月の借金返済時に発生する利息と遅延損害金をカットして、元金を分割弁済するように交渉するものです。
任意整理の特徴
任意整理の特徴としては、債権者と交渉するので、保証人がいる・担保があるような場合にその債権を外して手続きをすすめることができます。
また、裁判所に申し立てをするものではないので、手続きが非常に簡単で、その分弁護士・司法書士に対する費用も少なくてすみます。
任意整理の注意点(デメリット)
債務整理全般に共通するデメリットとしては信用情報に登録されて、一定期間借り入れなどができなくなる、ブラックリストという状態になるデメリットがあります。
また、利息・遅延損害金がカットされますが、元金は払わなければならないので、債務整理の中では、最も返済金額が多い債務整理方法である点に注意が必要です。

自己破産とは
自己破産とは、破産法という法律に基いて行う手続きで、裁判所に申し立てをして、借金を免責してもらう手続きをいいます。
自己破産の特徴
債務整理の手段の中でも、借金などほとんどの債務を免責してもらえるので、経済的な立て直しは非常に早く行えます。
また、自己破産によって強制執行を止める効果があるので、すでに給与の差し押さえをされているような場合に、差し押さえを解除できるので効果的です。
自己破産の注意点(デメリット)
債務整理全般に共通する、ブラックリストというデメリットは自己破産でも発生します。
また、自己破産では全ての債権者相手に手続きを行うので、保証人がついている場合には保証人が支払う必要があり、担保がついている場合には担保の目的物が引き上げられることになります(例:不動産・自動車・貴金属など)。
さらに、自己破産は手続きの中で官報に公告されるほか、職業制限・住居移転制限などの各種制限があります。

個人再生とは
個人再生とは、民事再生法という法律に基いて行う手続きで、裁判所に申し立てをして、借金を減額してもらって、分割返済をする手続きをいいます。
個人再生の特徴
個人再生は、債務の額を最大1/10に減額してもらえるので、任意整理をしても毎月の支払いができない場合でも、利用可能です。
また、住宅資金特別条項というものを利用すれば、住宅ローンで購入した自宅にそのまま住み続けることが可能です。
さらに、自己破産では職業制限がかかる場合でも、個人再生であれば職業制限はかからないので、職業制限がある職種でも債務整理ができます。
個人再生の注意点(デメリット)
債務整理に共通するブラックリストというデメリットは、個人再生でも発生します。
また、自己破産と同じように手続きを行うものの、残った債務の支払いはしなければならないので、返済ができない場合には利用ができません。

特定調停とは
特定調停とは、借金について調停という手続きで、借金減額の交渉をするものです。
調停とは、裁判所で行う手続きで、裁判官と民間人から採用される調停委員2名が、当事者双方の言い分を聞きながら、争いを解決する手続きをいいます。
調停手続きを利用して、債権者と債務者で、支払い条件を軽くするように交渉を行います。
特定調停の特徴
この手続きは、弁護士・司法書士に依頼しないで行うのが基本で、弁護士・司法書士に対する費用の支払いの必要がありません。
そして、任意整理に近い元金での返済を分割で行うように調整してもらえる可能性があります。
特定調停の注意点(デメリット)
特定調停でも、債務整理におけるブラックリストのデメリットは同様にあります。
また、民間から選ばれる調停委員は、ある程度借金問題の知識があるものの、全員が必ず詳しいわけではないので、任意整理のように利息・遅延損害金は必ずカットしてもらえない可能性があります。
さらに、返済をする手続きなので、返済できない場合には利用できないのは、任意整理・個人再生と同様です。
過払い金請求は債務整理ではない?
借金問題について調べていると「過払い金請求」というものを目にするのではないでしょうか?
これは、かつて利息の上限を規定する、利息制限法と出資法という法律の、上限利息が異なっていたことから発生した、グレーゾーン金利というものが原因となって、貸金業者に支払った返済が多すぎたことから発生するものです。
借金がある場合でも、実際には貸金業者に返済を求めることができるものであるため、借金返済を楽にする債務整理とは異なるものです。
ただ、借金をしていたことが原因で、手続きも取引履歴の調査を行うなど、任意整理と同様の手続きをとるので、債務整理が得意な弁護士・司法書士が得意としています。

その他の借金対策
借金問題は主に任意整理・自己破産・個人再生によって行われます。
しかし、
- 借金が時効期間を迎えている場合:時効援用
- 借金を相続したものである場合:相続放棄・限定承認
といった、特定の事情に応じた他の方法もあります。
これらの手続きについても債務整理を得意とする弁護士・司法書士であれば対応可能なので、相談してみてください。
債務整理の流れ
債務整理はどのような流れで進むのでしょうか。詳しく見ていきましょう。
任意整理の流れ
任意整理は次のような流れで進みます。
- 弁護士・司法書士に相談し依頼する
- 債務の調査を行う
- 債権者と交渉をする
- 和解契約を結び返済を開始する
債務整理のどの手続きも、まず弁護士・司法書士に相談して方針を決めてから依頼を行います。
任意整理の依頼後、弁護士・司法書士は債務の調査を行い、債務の額を確定させ債権者と交渉に入ります。
毎月の返済金額が決まると、和解契約(準消費貸借契約の場合もある)という契約を結びますので、契約内容の通りに毎月返済を行っていきます。
自己破産の流れ
自己破産は次のような流れで進みます。
- 弁護士・司法書士に相談し、依頼する。
- 債務の調査を行う
- 自己破産の申し立ての準備をする
- 自己破産の申し立てをする
- (管財事件の場合のみ)管財人との面接
- 裁判所での面接
- 借金が免責される
自己破産も、任意整理と同じように、弁護士・司法書士に相談して、自己破産の方針を固めて依頼します。
弁護士・司法書士が債務の調査を終えると、自己破産の申し立てのための準備として、申立書の作成や添付書類の収集を行います。
申立書の作成・添付書類の収集が終わると、裁判所に自己破産の申し立てを行います。
管財事件(少額管財・通常管財・特定管財)では、裁判所から選任される破産管財人と面接を行ってから、裁判所での面接が行われることになります。
同時廃止では、裁判所での面接のみです。裁判所の面接が終わると、借金が免責される決定が出され、それが確定すると借金は免責されます。
個人再生の流れ
個人再生は次のような流れで進みます。
- 弁護士・司法書士に相談し、依頼する
- 債務の調査を行う
- 個人再生の申し立ての準備を行う
- 個人再生の申し立てをする
- 裁判所or個人再生委員との面談
- 再生計画案の提出
- 再生計画案が認可され、返済を開始する
個人再生も他の債務整理と同様に、弁護士・司法書士に相談して、個人再生をするとの方針を決定して依頼します。その後に債務の調査を行うのも、他の債務整理手続きと同様です。
自己破産と同じように、裁判所への申し立て準備を行い、準備ができたら申し立てを行います。
東京地方裁判所に申し立てをする場合には、履行可能性テストという毎月の支払いが申し立て直後から始まるので注意しましょう。
申し立て内容を確認するために、裁判所もしくは裁判所から任命された個人再生委員との面談を行い、問題がなければ個人再生手続きが開始されます。
再生計画案を提出して、それが認可されると、毎月の返済が始まることになります。
債務整理の費用はどのくらい?
債務整理の費用はどのくらいかかるのでしょうか。債務整理にかかる費用には次のような費用があります。
- 弁護士・司法書士に支払う相談料
- 弁護士・司法書士に支払う着手金
- 弁護士・司法書士に支払う成功報酬
- 裁判所に納める実費や実費として必要な金額
以上にどれくらいかかるかという観点から確認してみましょう。
任意整理の相場
任意整理の費用の相場は次の通りです。
- 相談料:無料
- 着手金:2万円~5万円/1社
- 成功報酬(解決報酬金):0万円~2万円/1社
- 成功報酬(減額報酬):0%~10%
- 実費:0円~5,000円程度
任意整理は債権者との交渉だけなので、実費は非常に低く抑えることが可能です。
自己破産の相場
自己破産の相場は次の通りです。
- 相談料:無料
- 着手金:20万円~30万円程度
- 成功報酬:20万円~30万円程度
- 同時廃止の費用:約2万円程度
- 管財事件の費用:約20万円~50万円程度
自己破産では、管財事件になると、管財人への報酬を準備する必要があるため、実費が高額になります。
個人再生の相場
個人再生の相場は次の通りです。
- 相談料:無料
- 着手金:25万円~40万円程度
- 成功報酬:25万円~40万円程度
- 個人再生の費用:約20万円弱~
個人再生では個人再生委員が選ばれると、20万円程度~の費用がかかります。
債務整理の注意点4つ
債務整理をする際の注意点として次のようなものを知っておきましょう。
- ブラックリストに登録される
- 官報で公告される
- 職業制限がされることがある
- 保証人・担保を提供してくれた人に迷惑をかける
ブラックリストに登録される
債務整理のどの手続でもデメリットとして挙げられるのが「ブラックリスト」です。
ブラックリストとは、債務整理をすることによって、信用情報機関に登録され、信用情報で審査をして取引をするものができなくなる現象をいいます。
主なものとしては、
- 貸金業者からの借り入れ・自動車ローン・住宅ローン
- クレジットカードの申込み・更新
- 携帯電話の分割での購入
などが挙げられます。これをどうしても避けたい、と頑張って返済を続ける方も多いのですが、返済できなくなって延滞をすると、同様にブラックリストになります。
そのため、返済ができなくなっている場合には、ブラックリストは避けられないものといえるでしょう。
ブラックリストは永遠ではなく、債務整理の手続きによって5年~7年程度で解消されます。
また、クレジットカードは持てなくても、デビットカードは持てますし、携帯電話も一括で購入すること・回線の契約をすることは可能です。
不便ではありますが、日常生活を送れなくなるというものではありません。
官報で公告される
自己破産・個人再生の裁判所に申し立てをする手続きでは、官報で公告がされます。
官報とは、国などが法律で定められた事項を公にするために発行している媒体で、法令などの公布や、会社の決算公告などに利用されます。
官報は、官報を販売している書店などで購入できるほか、最新のものはインターネットでも閲覧が可能で、物理的には誰でも閲覧が可能です。
そのため、自己破産・個人再生を検討している人の中には、プライバシーが守れないのではと心配する方もいます。
しかし、官報はその内容が法令の公布などの列挙で、これを日常的に読んでいる人は、官報の内容をデータとして取り扱っている人くらいで、ここから自己破産や個人再生をしていることが他人の漏れる心配はありません。
職業制限がされることがある
自己破産をする場合には職業制限があることに注意しましょう。
宅建士・保険募集人・警備員のように、財産に関する資格や登録を必要とする職業については、自己破産をすると手続き期間中はつけないことになっています。
また、現にその仕事にある人は、登録を抹消するなどする必要があります。
この場合、建前としては、資格を利用しない仕事に配属してもらうなどして、その会社に居続けることは可能なのですが、実際問題として資格以外の仕事にすぐに配属してもらう余裕がないなどから、退職せざるを得ないことになりかねません。
このような場合でも、任意整理や個人再生であれば、職業制限はありませんので、債務整理自体は可能です。
保証人・担保を提供してくれた人に迷惑をかける
保証人となってくれた人や、担保を提供してくれた人がいる場合、その債務を債務整理の対象とすると迷惑をかけることになります。
自己破産や個人再生をしたり、対象となっている債務を任意整理すると、保証人に請求されます。
担保を提供してくれた人がいる場合、対象となっている債務について債務整理をすると、担保となっている物が引き上げられることになります(交渉して所有者が代わりに支払うことも可能)。
任意整理であれば、保証人がついているもの・担保を提供してもらっている債務について外して債務整理をすることができますが、その分については従来通り支払う必要もあります。
債務整理のよくある疑問点
債務整理をする際によく疑問にあがる点についても知っておきましょう。
債務整理は弁護士と司法書士のどちらに依頼するのがいいのか?
弁護士と司法書士ではどちらに依頼するのが良いのでしょうか。
司法書士は、140万円までの案件の代理と、自己破産・個人再生の書面の作成を業務として行えるため、債務整理でも業務が可能です。
しかし、140万円を超える案件の代理と、自己破産・個人再生における破産管財人・個人再生委員・裁判所での面談の動向ができないなど制限があります。
また、裁判所によっては、本人からの申し立ての場合には、内容をより精密に審査する必要があり、簡易な同時廃止・少額管財の手続きが利用できないことがあります。
そのため、140万円を超える任意整理を依頼する場合や、司法書士に依頼しての自己破産・個人再生を本人による申し立てと同様に取り扱う裁判所が管轄である場合には、弁護士に依頼するのが良いでしょう。
債務整理を弁護士・司法書士に依頼するとどうして督促がとまるのか?
債務整理を弁護士・司法書士に依頼すると、督促がとまります。
これは、債務整理を弁護士・司法書士に依頼した場合、貸金業者は正当な理由なく本人に請求することができないためです(貸金業法21条1項9号)。
今すぐ支払えるお金がなくても債務整理を依頼できるのか?
給料日前で手元にお金がなく、債務整理を検討する方も多いです。このような場合でも債務整理を依頼することができる可能性があります。
まず、多くの事務所で、着手金については分割で後払いにしてくれるので、依頼だけして毎月支払うということが可能です。
弁護士・司法書士に債務整理を依頼してしまえば、債務の額を確定するために返済をストップするので、今まで返済に使っていたお金を弁護士・司法書士への費用の分割支払いに回すことになります。
依頼にあたって、全く金銭を支払わなくてもいい場合や、5,000円・1万円などある程度の入金が必要なケースもあるので、相談事に弁護士・司法書士に確認してみましょう。
債務整理を弁護士・司法書士に依頼する場合にトラブルを避けるには?
債務整理を弁護士・司法書士に依頼してトラブルになるケースがあります。最近では、債務整理の依頼を受けていた弁護士法人が倒産して、業務ができなくなるというケースがありました。
その他にも、依頼している弁護士が、弁護士会・司法書士会からの業務停止処分を受けるなど、トラブルに見舞われるケースもあります。
トラブルになるのを避けるのに必ず行いたいのは、過去の懲戒処分歴の有無を確認することです。
懲戒処分を受けている弁護士・司法書士に依頼すると、このようなトラブルに巻き込まれる可能性が高いといえるからです。
債務整理は誰が行っているのか?
債務整理は、弁護士および司法書士の中でも簡裁等関係業務認定考査試験に合格した認定司法書士が、法律上報酬を得て債務整理をおこなうことができます。
NPO団体や任意団体が相談に乗っていることもあるのですが、ほとんどが過去に多重債務者であったなどの真摯な目的で相談に乗っているのですが、ごく一部、名義貸しによって運用している「整理屋」と呼ばれる人への紹介をしていたり、懲戒処分歴がある弁護士・司法書士の集客の隠れ蓑になっていることがありますので、注意しましょう。
まとめ
このページでは、債務整理をするにあたって、おすすめの弁護士・司法書士を、債務整理についての基本的な情報とともにお伝えしました。
債務整理を失敗しないためにも、専門家選びは慎重に行いたいものです。
ぜひ、このページでご紹介した、弁護士・司法書士の選び方や、おすすめの弁護士・司法書士を参考に、債務整理を成功に導きましょう。